三陸ラビリンス気仙沼(弁護士東忠宏)

気仙沼の弁護士東が,弁護士活動において考えたことなどを書いています。毎週日曜日に更新記事をアップするのを、目標とします。

立ち飲み郷愁

昨晩,プールの帰りに,これを見て,


今夜ももう一杯 - NHK クローズアップ現代

 

酒断ち(事情はまたの機会)している身には,ちょっと辛いものの,なかなか楽しいものだった。

(私は,サラリーマンとか普通の人が,楽しそうにしている風景を見るのがかなり好きなのだ。)

 

 

吉田類さんの講演に行ったことがあるが,大衆酒場の発端は戦後の復興期における出稼ぎ労働者用であり,やはり東京が中心である。

 

私などは,司法試験時代の「立ち飲み」屋に(少し辛くも)楽しく充実していた,その当時を思い出す。

 

当時,択一試験というマークシート式試験が最初の試験であり,それを合格しないと論文試験には進めなかった。

この択一試験の,各予備校の模試が,大体,前年末か当年1月ころだったかに始まり,3月下旬ころから本格化(大規模に受験生を集める模試が,それなりの頻度で行われる)していた。

普段は,それこそ,朝8時から昼1時まで勉強,昼食休憩も勿体ないと15分くらいで切り上げてまた夕方まで勉強,夕食と風呂は挟んでも,その合間にも勉強,という生活を続けていたものだから,

昼から始まる模試は,答え合わせさえ終えれば,さすがに集中して疲れたとて,夜は勉強しなくてよいという,自分への説得力ある口実となっていた。

答え合わせなんて,30分とかからないしね。

で,お金もないのだが,受験仲間と連れだって,三宮あたりの立ち飲み屋に行ってビールなど飲むのである。

 

今思えば,無職(私は受験留年せず,4年で卒業した)の受験生が,模試が終わったくらいで飲みに行ておだを上げるなんて,生意気というか,お気楽なものだと思うが,

当時は当時で,やはり将来への不安とか,それなりの疲労があり,だからこそ受験仲間での立ち飲み行脚は,ささやかな癒しの場になっていたのだろう。

 

受験勉強時代から14年余が過ぎ,私は気仙沼に住んでいる。

この数年は,一人酒こそ気楽でいいな,と思って過ごしている。