保険金訴訟(モラルリスク事案)の思い出②-模索編
〔第3回期日・第4回期日〕
第2回期日において,相手方より,焼け跡から大量の灯油成分が検出されたとの主張・立証がなされた後,
それにどのように対抗したらいいのか,この半年くらいが,この訴訟で一番大変だったと思う。
なにせ,「モラルリスク」なる言葉すら,相手方代理人の書面により初めて知ったくらいだから,どういう方向で争えばいいのか,さっぱり分からぬ。
ただ,私としては,元々依頼者が知っている方であり,震災後の市民皆が家に困っている状況でわざわざ自宅を放火するか,保険会社の主張が無茶だとは思っていた。
しかし,裁判所というのは,そんなことよりも,客観的に灯油が出たのだから,ということを中心において考えるだろう。
とりあえず考えたのが,
・ 灯油成分検出場所は,火元ではない。それを,火災の燃え広がり方から推測する,
というのはどうか,というものであった。
これも,懇意にしている消防関係の方に見てもらったりしたが,火災の方向性というのを,簡単に説明できるようでもなかった(と記憶している。この辺り曖昧)。
イソ弁と2人,ああだ,こうだと議論した,と言うと格好いいが,私も(期日では相手方代理人に元気よく発言したつもりだが)半分投げ出し気味になり,イソ弁に方向性の検討を押し付けたりもした。
最初の数か月は,考えては駄目,聞いては駄目,ということの繰り返しだった。
で,イソ弁の奮闘もあり検討のための期日を続ける中,上記消防の方の紹介で,火災調査団
の運営者の方を,ご紹介頂くに至ったのであった。
この辺りから,ようやく,反転攻勢の足がかりとなるのであった,,,
(まだ続きます。更新ペースが遅くてすいません。)