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三陸ラビリンス気仙沼(弁護士東忠宏)

気仙沼の弁護士東が,弁護士活動において考えたことなどを書いています。毎週日曜日に更新記事をアップするのを、目標とします。

更新の予定など

すいません。

2月はかなり多忙でして,多忙となると,つい帰宅したら飲んで寝るばかりで,

休日も仕事に出て帰ったら,それこそ飲んで寝るばかりで,

更新に至りませんでした。

 

アクセス数から,更新を期待されていることは分かっているのですが,

(言い訳として,スマホフリック入力が苦手で,ちょっとした文章でも,いちいち事務所に出てきて書いているほどなのです。自宅は考えがあって,今はPCは置いてません。置こうかな。)

そんな状態でした。

 

が,ちょっと地方の弁護士らしい企画も考えつつありますので,お待ちを。

大道寺将司さんと菅家さん

「もう一人の隣人は北関東のほうで幼女を連れ出して殺した容疑で、一・二審とも無期刑の判決を受けた人。新聞報道によると、彼は冤罪を訴えているようです。でも、ぼくは彼の事件については詳細を知りません。ですから、彼が実際に幼女を殺したのか,冤罪なのか,判断する材料もありません。ただ、近くで接していると、警察官や検察官から、「おまえが殺したんだろう」と決めつけられたら、彼が反論などできない人であることはわかります。気が小さくて、自己主張するような人ではないからです。以前、ぼくは彼をかなりの難聴者だと思ったことがあります。というのは、看守や雑役囚が彼に話しかける時、一度では済まず、必ず二度三度、同じことを繰り返すからです。しかし、一度言っただけでは彼にはなかなか通じない、つまり彼が理解するのに時間がかかるからだということがわかりました。弁護人と意思疎通ができているのか疑わしいくらいですが、冤罪ならしっかりと闘ってほしいと思います。」
(一九九六年十月三一日)


「死刑確定中 大道寺将司」を再読して発見。

 この年末年始に読んで,大変感心しました。

多分,この数年来の読書の中で,一番くらいに胸打たれたと思います。

この数年というと,丸谷・山口ばかり読みふけり,近時は池波も読んだりと,そんな中での話しです。

世界史の構造 (岩波現代文庫)

世界史の構造 (岩波現代文庫)

 

 

私がずっと抱えていて,友達やイソ弁にしつこく話して辟易されていたであろう,

 

1 西洋は世界を制したところ,それがたまたま人権思想を持っていたと考えるべきなのか,あるいは,人権思想を持っていたからこそ,世界を制したと考えてよいのか

(→近代戦争の戦闘員には基本的教育が前提で,また,近代的兵器を均一な質で大量に作る必要がある。それらの前提には,大量消費社会〔が前提とする社会の構成員や社会システム〕が必要で,そのためには共同体を破棄して,国民国家を作る必要があって,,,)


2 1に関し,ヨーロッパの側にたまたまアメリカ大陸があったから,新市場や奴隷でもって産業が発達したのか。
中国とすれば,たまたま側にオーストラリアがなかったせいで,主権国家とか国境線とかいう西洋のルールを押し付けられているのか。

などということについて,(もちろん,私のような愚問が立てられているわけではありませんが)それへの答えとなる見事な論述があります。

 

などと書くと,私が法律家としての素養に全く欠ける物の考え方をしているようですが。

(注:上記のような問題設定が書かれているのではありません。人権なんて一言も触れた本ではないのです。あくまで,本に書いてあることを敷衍すると,私なりの疑問の答えに繋がる,ということです。)

 

私は,ブームになる以前の内田樹さんの本が好きで,そこで初めて「互酬」という概念の重要さを知りましたが,それの位置づけがよく分かっていませんでした。

それが,また「周辺」とかを大学の夏期集中講座で聴いたことを,どうやら思い出し,ああ,そういう議論であったのかと,今さらながら思いました。

 

まぁ,哲学というのは,なんでも後付けで説明するためのものですが,この本を踏まえると,市場と国家の関係とか,民主主義・主権の関係とか,なにやら世の中の議論(議論する意義が)が全く虚しくなるような気にもなります。

父の不在・父の否認

今朝は,少し雪が降るなか,子供らと公園へ。
1時間少し,サッカーをして走り回る。
公園は最初,我々親子だけだったのだが,しばらくして近所の子も来て,サッカーに入れてくれと言う(もちろん入ってもらう。)。

 

私は,子供らに話すとき,なぜか,

 

・ 俺(私ね)は,タダヒロの双子のダダビロだ,普段は東京で刑事をやっている,今日は本物のタダヒロは俺の東京の家に行っているのだ,

・ お前達の本当の父親は,お前達がごく小さいときに事故で死んだ,俺(ダダビロとはまた違うやつ)は偽の父である,

・ 俺の右手は事故で失われていて,これは精巧な義手である,

・ と言うか,実は俺は人間ではなくてロボットである,

・ 妻との出会いを翻案したのが,あの「シンデレラ」である,

・ 高校生のころ,明石市の乗っ取りを企む,なぞなぞ魔王「ナゾー」にただ一人戦いを挑み,決死のなぞなぞ勝負でどうにか地域を救った(このストーリーは,寝室で不定期に語り継がれている。長すぎて,話しが始まって3年は経つのに,まだ自宅から魔王の城に向かう中途である。),

 

などという,訳の分からない話を思いつきでしてしまい,

子供らが前の話との矛盾を突く度,いや,実はこういう理由で齟齬はないんだと,また話しをでっち上げる,ということを続けている。

 

ただ,こうして初めて書きだしてみると,私が子供らに言いたいのは,

どうも「俺は,お前達の父親ではない」ということのようだ。

要は,父親の責任を放擲したいということなのか。あるいは,同じように遊び騒ぎたいということなのか。

 

振り返ると,物心ついてから,私自身が父親とサッカーでも何でも,遊んだ記憶ってないな。
まぁ,子どもだけで連れ立って遊べた環境と,当地では親が車に乗せて連れ出さなければならないので,だいぶ状況が違うが。

受任の幅と弁護士の姿勢

よくイソ弁らに言っていることだが,,,

 

どう法的に整理したものか,よくは分からないが,ともかく不当な目に遭っているということ・何らかの請求をしてしかるべきだ,という相談者が来る。

よく分からないというのは,相談者の表現力の問題もあるし,相談者が関わりないところの事実関係が把握できないためなのかも知れない。

ともかく,聞いている当方(弁護士)としては,よくは分からないが,自分達が対処する領域に属する問題のようだ。

 

で,どうするか。受任するのか。

ここで,当該依頼者が,まず付き合っていけそうな方であれば,よくは分からないけれど,事件を進める中でなんとかなるだろうと,受任することになる。

反対に,手続の見通しとか,金銭回収に細かく意見を言うような人なら,ちょっと受任しにくいだろう。

 

で,この種の,当初は見通しがよく分からない事件が,徐々に分かってきて,意外な成果を挙げたりする。

あるいは,私の場合だが,依頼者が事実関係を把握していな類型で,弁護士の調査だけが頼り,という事案の方が,むしろ地力を発揮したりもする。

 

そうすると,ある程度専門家任せ,という人の方が,結果として権利救済に繋がる,

むしろ口うるさく権利主張をする人の方が,弁護士が敬遠して,その実現に繋がらない,

というパラドックスが起きそうである。

 

ここで,以上の依頼者の態度・発想からの選別的発想を逆転させ,弁護士側の姿勢を問題にしてみる。

 

経験を積み,いろんなタイプの人を依頼者としてきた弁護士がいる。

最初,よく分からなくても,徐々に事実関係を把握し,問題点に突き当たれば,その都度,依頼者に説明して適切な方向転換をする。

また,そのように適切な方向転換の協議ができることに自信がある。

あるいは,依頼者をコントロールすることにこだわらない。

そうすると,自然,口うるさい人,独自の考えを貫こうとする人,あるいはお任せ過ぎて連絡対応してくれない人,そういう人も受けることができる。

上記の見方の反対で,当該弁護士こそ,受任して対応できる幅が広ければ広いほど,当然,権利救済の幅が広がる。

 

様々な依頼者と適切な関係を結ぶことを,平素続けていれば,自然,地域の権利救済に資することができる。

 

 

平成27年から始まったことなど

今年から初めてよかったことを,紹介します。

 

1 長距離運転で,ドライビング用の手袋をすること

これだけでも,案外楽である。

私は全シーズン,指が出ているのを着用。

 

2 ついでに,スニーカーで運転すること

スーツでも,革靴は別途,載せて運ぶのだ。

この旅行先に,別の靴を持っていくの,かなりいいですよ。

えっ,とっくにそうしている?そうですよね,,,

 

3 シューキーパーも使う。

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これそのものだったかは,覚えていないけれど,確かに靴にいい。

私は,マグナーニばかり履くのですが,外出用と事務所内用に分けてて,後者(2足)は多分4,5年経つのですが,部屋の中しか履いていないので,見た目は新品同然です。

外出用も,先日,靴底を張り替えたので,まだまだいけそう。

などと書くのは,この前,三越銀座店のシューズコーナーに行ったところ,なんだか,以前のようなマグナーニの品揃えではないように思え,かなりがっかりしたからです。

当たり前のデザインと,狙ったようなものが,うまくラインナップされていたはずなのですが,何か,おかしな感じになっていると思います。

当面は買い換えないとしても,買い換えるころ,果たして私が思っているような靴があるのかどうか,,,

 

4 百人一首の暗誦

丸谷が,天皇が恋の歌を詠むのが日本の文化の伝統(根幹)で,それを禁じた明治政府徳川幕府もしなかった暴挙と書いていました。

私も,高校生のころは,「奥山に,,,」とか,「,,,ふりゆくものは我が身なりけり」,「,,,墨染めの袖」とか,風景とか,禅味みたいなもの(と私は受取っていた)があるのは,どうにかいい歌だと思ったが,それだけだった。

今にして,「難波江の葦の仮寝の,,,」とか,「玉の緒よ,,,」とか,それが,地位有る人々が実名で歌う,文化の面白さ・迫力が,徐々に分かってこようとしている。

せっかく覚えたので,ちょこちょこ見直して,暗記から漏れないようにしています。

半分冗談・半分本気で書くのだけれど,

世の人が,しかるべき地位に就いたり,問題を解決したり,退任したり,あるいは亡くなる際,いちいち短歌を詠む・それが逐一批評される,という文化があれば,大変だけれどもよかったかもね。

 

5 日弁連e-ラーニング視聴

既に135件を視聴。

外国法・外国語を除き,残すところ105件だ。

これで学んだことは,相当大きかったなー。

23条照会ほか,取り組み方がかなり変わった分野もあるし,この講義で刺激を受けて取り組んだ事案すらある。

 

6 家族でのキャンプ

これもよし。どれも,楽しい思い出で,また暖かくなって,再開できるのが待ち遠しい。

また,お勧めのキャンプ場など紹介しますね。

皆で室根山に登ったりもした。

 

7 ダイエット

ちょっと停滞気味だけれど,来年も引き続き。

 

その他,ギターを買ったもののあまり進まなかったり,池波の小説の面白さに開眼したり,柄谷行人に感心したり,などなど,

今年は,わりに充実して,いろんなことが身についたように思う

 

 (番外・仕事編)

仕事上のこととして

1 官報検索サービスの開始

定期的に調べるようにするのも,なかなかおもしろいですね,,,

 

2 気仙沼支部・簡裁の事件番号チェック

を,詳細に整理するようになりました。これも役に立ちます。

情報提供はしませんけれど。

 

 

 

 

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人間は,うまい具合に本を手に取る。
佐藤優「官僚階級論」読了。


下記の,かなり長い年数考えてきた疑問について,やっぱりそうか,,,という答えが書いてある本でした。
(もちろん,佐藤優らしく,神学がどうのこうの,マルクスがどうのこうので,直接書いているわけではありませんよ)

 

1 財務省の官僚は,なぜ,財務規律を求めるのだろう。政治家/選挙民の言いなりになって,消費税その他税を廃止/軽減したらいいではないか。その結果,国家財政が破綻したところで,それは国民の選択であって,別に財務官僚が気に病むことではないのではないか。
もちろん,財政破綻時に,国民は財務官僚を非難するかも知れないが,それも含めての好待遇じゃないのか。


2 警察・検察庁は,なぜ取調べの全面可視化・全面証拠開示に反対するのか。
国民が求めるとおりに全面実施したらいいではないか。
その結果,本当に治安が悪化したところで,別に国民の選択の結果なのだから,法律に従って可視化・証拠開示したまでで,警察・検察が責任を感じることないではないか。


3 1,2のようなことについて,官僚の反論の内容は想定されるけれど,それは,官僚自身の自己実現なんじゃないのか。
公務を通じての自己実現って,そんなことをさせるために公務はあるのだろうか。
(長期過密勤務が,彼らに,職業生活を通じた自己実現へと誘導しているのではないか)

 

4 学生の頃,真渕勝(政治学,当時は市大)先生に「車検の自己点検制度を例にした政・財・官の『鉄の三角同盟』を講義で聴いたが,なぜ官僚が権益を伸ばそうとするのかが分からぬ。権益が増えたら仕事も責任も増えて大変ではないか。」と質問した。
その後もなお,個々の官僚がラットレースに巻き込まれるのは分かるけれど,その評価基準が省としての権益を伸ばすこと,にあることが腑に落ちない。


5 絶対王政下・身分制議会での法を用いての統治のあり方が,なぜ民主政治になっても(権力主体が違うとされるだけで)同じようなものなのか。


6 選挙に投票しなくては白紙委任になるという。
しかし,一人一票の威力はまことに慎ましく,単に当該選挙や現行の統治形態に正当性を与えることだけが求められているのではないか。

 

これら他に,柄谷行人トランスクリティーク」「世界共和国へ」を解説して答えてくれています。
これら両著に,佐藤は結論は賛成できないと書いていますが,その本意はなかなかの扇動,アジテーションだと思いました。

 

以上は,FBにも投稿。以下付記です。

 

1については,実は,財務官僚に直接聞いたことがあります。

それに対する答えは,「なぜ人を殺してはいけないのか,と聞かれたようなものだ」でした。

まったく,よく分かります。

 

私は,刑法は,鶏舎の監理者が,他の鶏の邪魔をする悪い鶏を隔離・膺懲するためのものではないかと,わりに実態を見ていたつもりですが,まだ全体が見えてませんでしたね。